小さなお店のための広告コピーの作り方

検索連動型の広告、SNS広告や地域のポータルサイトなど、街の小さなお店が広告を少額で簡単に出稿できるようになりました。ただ、そういった広告は掲載内容を、お店の方々が自分たちで考えないといけません。今回は、小さなお店が広告出稿する際の広告コピーの作り方について解説します。

まず考えるのは「誰に来てもらいたいか」

一番最初に考えるべきは、「何を載せるか」ではなく、「誰に来てもらいたいのか」です。

今の広告は、みなさんが考える以上に幅広いところへ向けて情報発信となります。たくさんの人へ向けて送られる情報だからこそ「誰に見てもらいたいのか」という土台をしっかり作ることが大切です。

店側の「伝えたいこと」「知ってもらいたい大事なこと」を載せることは大事です。だから、店側の「伝えたいこと、知ってもらいたい大事なこと」を『読む人にわかってもらえるように』伝えること、が大切なのです。

「何を載せるか」も大事ですが、それよりもまず、読み手をイメージしてみませんか?ご自身のお店、商品・サービスのことは、よくご存知ですよね。情報を届けたい『相手』のことをしっかりイメージして、そこへご自身のお店、商品・サービスを「いいな」と思ってもらうためには
どうしたら(どうPRしたら)いいかを考えていってみましょう。読み手にわかってもらえるように伝えなければ、せっかくの掲載内容も宣伝ではなく、独りよがりのものなってしまいます。

その広告コピーは、新規客に親切ですか?

やっぱりせっかく「広告」を使って宣伝するんですから、新規客へのアピールというのは、頭に入れておくべきです。「わかってるって、そんなん」・・・と言う方、多いと思うんですが、意外と、悶々と考えていくうちに薄れていくんですよぉ、残念ながら。そういう事例が、ほんとにたくさんあります。

アイキャッチ写真がお店の暖簾(看板)のアップやロゴ

そのお店の前を通る人ならわかるかもしれません。広告で陥りやすい失敗のひとつがコレ。
地域の人や常連さんならわかるから、とか時には「いい写真がないから・・」という理由で使ってしまう写真です。全国展開のチェーン店なら、認知度もあるので、パッとみて多くの人にわかってもらえます。地元のお店でも「それはゼッタイ失敗」というわけでもありません。

でも、WEBを使って宣伝しているのですから、極端な話、その写真を見て「行こうかな」と思ってもらえる可能性があるお客さんは、地球上のすべての人が対象です。

目印になるようにそれらの写真をどこかで使うのはOKですが、アイキャッチ画像としては、NGです。そこが何屋かがわかる商品写真を掲載することが「新規客にとっては」親切です。

伝わらないキャッチコピー

次に挙げる「お店をPRするキャッチコピー」は、それぞれ何屋さんだと思いますか?本当にあった事例ですよ。

  • ぜひお気軽にお立ち寄り下さい
  • ゆったり広いスペースはくつろげます
  • お客様の笑顔のために頑張っています

どうでしょう?わかりますか?「これかな?」って思い浮かぶものがありましたか?でも、限定はできないでしょ?どんな業態のお店でも使えちゃいます。

これらのキャッチコピーと一緒に、アイキャッチ画像があって、それが、美味しそうなビールとから揚げとかお刺身とかの写真なら「あ、居酒屋さんかな」と想像できます。コーヒーとケーキの写真なら「カフェかな」とわかるでしょう。

でも、お店のキャッチコピーの役割は『アナタの店が何屋さんなのかが、スッとわかるように説明してあげること』 です。そして『行ってみたいな』と、お客さんに思ってもらって、行動に移してもらうことです。

だから、まず「何屋?」がスッとわからないともったいない。しかも今回は、新規客にアピールです。特に、ちょっと注意が必要なのが、店名からお店のジャンルがわかりにくい場合。そういう場合は、より慎重にキャッチコピーを考えるべきだと思います。

キャッチコピーも写真も本文コピーも、決定したら最後にはできれば、誰かに客観的に見てもらいましょう。キャッチコピーなどは、さっき書いたようなクイズ形式で見てもらうのもいいかもしれませんね。

ワタシも昔、クライアントさんと悶々と考えていくうちにどこでどう間違ったのか、ズレていってしまってクライアントさんのおしゃれな「書」をアイキャッチに使う、という失敗をしたことがあります。「ある意味」目立ったことと、もともと常連さんには、オーナーの書は人気だったので
なんとか慰められましたが、新規客獲得の目標数字には、まったく届かなかったという悔しい思い出があります。

一晩寝かせて、ターゲットの行動を妄想

これは「広告コピー作成」以外でも使える大切なポイントなので、頭の片隅に置くといいですよ。

「誰に来てもらいたいのか」のところで徹底的にターゲットについて考えましたよね?その時、どこまで「ターゲットについて考えたか」は実は、この3つめの「一晩寝かせる&妄想の術」にとっても影響します。

例えば「30代女性」では、ダメ。「40代前半の男性で日本酒が好きな人」も、まだまだ。「この人!」というぐらい、絞っておいて下さいね。

「一晩寝かせる&妄想の術」のためには、ピンポイントで想像すればするほど、妄想しやすくなります。では、どんな妄想をしたらいいんでしょう。答えは【その人はコピーを見て、何と言うか?】です。

そのコピーを読んだターゲット客Aさんはアナタの想像通り、たくさんの情報の中から「アナタの店」を選んでくれるでしょうか?アナタの想像通り、来店して、食べてほしいメニュー(選んでほしいサービス)を注文してくれるでしょうか?

Aさんは、あなたの「宣伝したかったこと」をちゃんと理解してくれた感想を、言ってくれるでしょうか?

「一晩寝かせる」のは、なぜか。徹底的にターゲットについて考えて、新規客にわかりやすいだろうかと深く掘り下げて、記事を見た人がどう感じるだろうか、と想像して、とにかく頭を使いました。

頭をたくさん使ったあとは、一度クールダウンして、もう一回見る。そうすると、客観的に見直すことができます。自分本位なコピーにしないために大切なことは、なんと言っても「一晩寝かせる」ことです。騙されたと思って、やってみて下さい。

まとめ

  • ターゲットを考える!
  • 新規客に優しいコピーを考える!
  • 一晩寝かせる&妄想

広告用に宣伝のコピーを考えなきゃという時、最低でもこの3つには、ちょっと時間を割いてほしいと思います。そうして作ったコピーを翌朝冷静になって見直して完成です。